短期滞在ビザ申請の場合、その申請人がどんなに、まじめでいい人で、もちろん犯罪を犯したこともなく、何の問題もない人であっても、ビザが発給されないケースというのがあります。このようなケースでは、申請時にどんなに立派な資料をつけても、どんなすばらしい文章で理由書を書いても、どんなに熱心にインタビューで説明しても、やはりビザは発給されません。
すなわち、出ないものは出ない、"アカン"もんは"アカン"のです。(昔、「ウマイもんはウマイ」という焼肉屋のCMがありましたね。関西限定かも…)
例えば、次のようなケース。ある日本人男性(40代)が、フィリピンに観光旅行に行き、現地のレストランで夕食を取っていたところ、隣のテーブルにいた数人のフィリピン人女性(20代)グループと意気投合。しかも、その中の1人が片言の日本語ができ、日本が好きで日本に興味があるとのこと。次の日には、その子が観光スポットをあちこち案内してくれた。その時は、お互いの連絡先の交換だけをして別れた。
その男性が帰国後、しばらくして彼女から連絡があり、一度日本に遊びに行きたいと言ってきた。確かに、彼女は日本に興味があると言っていたし、そんな子があこがれの日本に遊びに来たいと言っても不思議ではない。まじめでおとなしそうな子だったし、まして不法就労を企んだりするような子には見えない、もちろん怪しげなマフィアの陰などもちらつかない。現地ではあちこち案内してくれるなど世話になったし、まあ自分が日本側の招聘人となって、「知人訪問の短期ビザ」を申請してあげてもいいだろうと考えた。
もし、この男性が私の事務所へ「フィリピンの旅行中に知り合った女の子を観光ビザで日本に呼んであげたい。」と言って、申請手続きの依頼に来られたとしたら…。私は「残念ながら彼女を日本へ呼んであげることは99%不可能でしょう」と答えるでしょう。なぜなら、これは"アカン"もんは"アカン"ケースに該当するからです。
具体的に言いますと、「20代のフィリピン人女性」というところがポイントです。勘の良い方ならもうお分かりかもしれませんが、夜の盛り場へ行けば、数多くの「フィリピン・パブ(スナック)」等と称するお店があり、そこにはたくさんのフィリピン人ホステスさんが働いています。もちろん、彼女たちの多くは正規のビザでもって合法的に仕事をしている(はず?)のでしょうが、不法入国や不法滞在、あるいはビザは合法的に取得していても仕事内容が違法であるケース等も決して少なくはありません。もしかすると、人身売買などの問題が絡んでいるかもしれません。
このような現状がありますので、上のフィリピンで知り合った女性がどんなにまじめで大人しく、ホステスなどの仕事をする気も全くなく、あこがれの日本に行ってみたいという純粋な気持ちであっても、「レストランでちょっと知り合った知人に会いに行く」という理由だけでは、日本には入れてもらえません。
では、これが20代の女性ではなく、30代ならどうか、40代、50代では? また、女性ではなく男性ならばどうか。「レストランでちょっと知り合った知人に会いに行く」のではなく、「日本に留学している息子に会いに行く」場合はどうか? また、これがフィリピン人ではなく、中国人ならどうか、ロシア人では? もし仮に、彼女がアメリカ人なら何の問題もなく日本に入ってこれるでしょう。(というよりも、アメリカの場合ノービザですので、航空券を買って飛行機に乗りさえすれば、日本に来ることができます。)
このように、同じ「知人訪問の短期ビザ」であっても、その条件によって"アカン"もんは"アカン"ケースから、ほぼフリーパス(ノービザ)のケースまで、さまざまです。この辺の事情をきちんと把握した上で、ビザの申請をしなければ、全く取れる可能性のないビザを一生懸命申請してみたり、もう少し詳しい資料を出してきちんと説明しておけば許可されたものを、面倒だからとテキトーな申請をしために不許可になったり、ということにもなりかねません。特に、どこでもほぼフリーパス(ノービザ)で簡単に海外旅行ができる日本人は、ビザ申請を簡単に考える傾向にありますので、注意が必要です。
あなたが、今出そうとしているそのビザ申請、"アカン"もんは"アカン"というようなことはないでしょうね?

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○ 永住申請
○ 国際結婚(婚姻手続)
○ 国際結婚(入管手続)
○ 外国料理店の調理師の呼寄せ
○ 外国人が自ら起業するには
○ 簡単ではない 短期滞在ビザの申請
○ 落とし穴1 申請窓口&申請人は外国に
○ 落とし穴2 不許可理由は闇の中
○ 落とし穴3 大使館・領事館の"体質"
○ 落とし穴4 "アカン"もんは"アカン"