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外国料理店の調理師の呼寄せ

  最近は、中国料理やイタリア料理はもちろんのこと、いろんな国の本場の味を楽しめるレストランが増えてきましたね。インド料理やベトナム料理などエスニック料理も根強い人気がありますし、最近は南米料理などもよく見かけるようになりました。これも国際化の流れの1つでしょうか。
 さて、外国料理のレストランが本場の料理を提供するためには、その国から調理師を呼び寄せなければいけません。果たして調理師にはどんなビザが必要で、どんな手続が待っているのでしょう。

調理師呼寄せに必要な条件

 日本で調理師として働くためには「技能」という在留資格が必要です。この「技能」の資格を得るためには、以下のような条件を満たす必要があります。
(1)外国特有の料理・食品に関し、その調理や製造について10年以上の実務経験があること。
 ただし、10年の実務経験には外国の教育機関においてその料理の調理や食品の製造に係る科目を専攻した期間も含まれます。

(2)日本人が受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
 外国人労働者だからといって、安い賃金で働かせることは許されません。まして、日本人では作ることができない外国特有の料理を作ってもらうわけですから、少なくとも日本人と同等以上の報酬を支払って当然でしょう。
 また、その調理師を受け入れる会社・店は、その事業が適正に行われるものであり、かつ安定性・継続性の認められるものではければいけません。

 法令で定められた条件は上の2つだけです。これだけ見ると簡単に呼び寄せられそうな気がしますが、実際には以下のような点が審査のポイントとなりますので注意が必要です。

(3)審査のポイント
a) 条件の一つである10年の実務経験は絶対的なものです。どんなにすばらしい料理を作る天才調理師でも、経験が10年未満では「技能」の在留資格を得ることはできません。中国では、特級調理師、1級、2級…というように階級制度がありますが、いくら特級であっても経験がなければダメですし、逆に4級であっても10年以上の経験があればOKです。(レストラン側としてはイマイチ納得できないかもしれませんね)
b) お店で出す料理はその国の本場のものでなければいけません。例えば、中華料理だからといって、ラーメンと餃子しかないようなお店は「技能」の在留資格で中国人調理師を雇うことはできません。同様に、単なるカレーハウスのようなお店もインド人調理師を雇うことはできません。
c) お店は外国人調理師を雇うにふさわしいだけの店舗構成が必要です。例えば、屋台形式の店舗ではまずムリでしょう。また、店舗を構えている場合でも、10席弱のカウンター席のみだったり、ファーストフードと見紛うようなフードコート内のお店は厳しいように思います。
 最低でも20〜30席程度の客席があり、貸し切ればちょっとした宴会やパーティができるようなお店が良いのではないでしょうか。また、本場の外国料理店を謳うからには、内装の飾り付けやBGM等もその雰囲気にふさわしいものにすべきでしょう。
d) お店は今後継続安定して経営が続けられるだけの資金力を備えている必要があります。何年も赤字が続いているようなお店で、果たして新しく雇った調理師の給料をきちんと払えるのか、という問題が生じます。また、ビザは出たけれどすぐにお店がつぶれてしまうと、その調理師が路頭に迷う、という恐れもあります。
e) お店に既に雇用している外国人調理師がいる場合は、その人達に適正な給料を支払っているか、良好な労働環境を与えているか、と言う点も重要です。雇用契約書通りの給料を支払っていない、十分な休日や休憩を与えていない、調理とは全く関係ない仕事をさせている、すぐに調理師が辞めてしまい取っ替え引っ替え新しい人を使っている、…等々、いい加減な労務管理をしているようなお店は、いずれ入管からビザを出してもらえなくなる、というおそれがあります。

※ 以上の審査ポイントを見て分かるとおり、外国料理店からの申請は、調理師本人よりもむしろ受け入れるお店の方が重点的に審査されるといえます。

調理師呼寄せに必要な書類

 外国人調理師を海外から日本に呼び寄せるためには「在留資格認定証明書交付申請」という手続をする必要があります。受け入れる日本の会社・お店が以下のような書類を準備し、所在地を管轄する入国管理局へ申請を行います。

1. 在留資格認定証明書 交付申請書(用紙は入管にあります)
2. 外国人本人が準備する書類
    パスポート写し(身分事項欄、出入国スタンプのページ)
    写真(30mm×40mm) 2枚
    履歴書
    調理師としての活動に関する経歴及び資格を証明する公的機関が発行した文書
     ・学歴、職歴などの経歴を証明する文書
     ・公的機関が発行する資格証明書(写し)
     ・所属機関からの在職証明書等でコックとして従事した期間を証明する文書
3. 日本側の受入機関(会社・店)が準備する書類
    会社登記事項証明書(登記簿謄本)
    会社案内やパンフレット、お店のチラシ、雑誌
    店舗写真、図面
    メニュー
    保健所営業許可証写し
    テナント賃貸契約書
    税務申告書や決算報告書
    外国人社員リスト
    雇用契約書(活動内容、雇用期間、地位、報酬)
    招聘理由書

 本人が準備する書類の中で一番重要なものは、10年の実務経験の証明です。国によってはホテルやレストランから偽物の在職証明書が出されているケースもありますので、注意が必要です。公証制度のある国であれば、経歴書や在職証明書を公正証書としておく方がよいのではないでしょうか。

 無事に「在留資格認定証明書」が交付されましたら、これを本国にいる調理師本人に送ってあげてください。そして、その本人が、送ってもらった「在留資格認定証明書」を持って現地の日本大使館・領事館で「査証申請手続」を行います。この申請が許可され、査証(VISA)のシールを貼ってもらいますと、手続完了です。後は、飛行機に乗って来日し、空港での上陸審査をパスすれば、晴れて入国です。




   

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東はりま総合法務 行政書士 寺下賢志
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